はじめての決算

流動比率のポイント

流動比率のポイント

流動比率とは、会社の“短期的な安全性”を測るために重要な指標です。
「貸借対照表」には「流動資産」と「流動負債」があります。

▼表.会社の貸借対照表 基本モデル

表2

「流動資産」は、現金預金・受取手形・売掛金など、1年以内に現金化することができる流動性のある資産です。
「流動負債」は、支払手形・未払金など、1年以内に返済をしなければならない借金です。

流動比率を求める計算式は次の通りです。

流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

A社の流動比率が100%の場合、1年以内に返済をしなければならない負債に対して、それと全く同じ額の資産を持っていることがわかります。
これはA社には“返済能力がある”といえます。

逆にB社は流動比率が90%でした。
この場合、B社は現在ある借金を返済するために、さらに新たな借金をしなければいけません。
ここで新たにお金を貸してくれる銀行がないと、B社は返済不能におちいり、倒産してしまうことになります。

流動比率とは、“会社の短期的返済能力を示す”ものともいえるのです。

A社は100%で安泰といえるか?という問いに関しては「NO!」です。
一般的に流動比率が倍の200%を超えると理想的な数字といわれます。

金融庁が提供する有価証券情報サイト「EDINET」で業種別の流動比率ランキングを見ることができます。

流動比率が200%を超えている業種は上位に「電気機械器具製造業」「通信業」「精密機械器具製造業」がきています。

▼表.流動比率 業種別平均ランキング(更新日2013年8月20日)

No.業種平均会社数
1電気機械器具製造業296.97%265
2通信業294.86%40
3精密機械器具製造業291.51%63
4一般機械器具製造業267.05%172
5化学工業234.55%232
6繊維工業224.34%58
7鉄鋼業212.11%54
8金属製品製造業209.03%74
9出版,印刷,同関連産業205.61%43
10不動産業200.04%77
11窯業,土石製品製造業194.21%68
12卸売業185.33%326
13食料品製造業176.50%122
14運輸に付帯するサービス業173.82%48
15建設業173.29%159
16輸送用機械器具製造業165.42%96
17小売業144.05%261
18道路運送業88.50%48
19銀行,信託業82.58%147
20民営鉄道業58.16%46
参考資料:流動比率: 業種平均ランキング [URL]

「電気機械器具製造業」は、配電盤や車両などの部品、身近なものではエアコン・電子レンジ・電子釜などの製品を作っている業界です。
有名な会社で富士通、パナソニック、デンソー、日本電気などです。

「通信業」は、IT関係事業やマスメディア関係の事業を指します。
どんな会社があるかというと、誰もがご存じNTT docomo、ソフトバンク、KDDI。また最も身近なところで各テレビ放送局が通信業にあたります。

「精密機械器具製造業」は、工業用の分析装置・測定機器や医療機器全般。一般的には一眼レフカメラ、デジタル時計など。
有名な企業は、キヤノン、ニコン、リコー、オリンパスなどです。

以上の3つの業種の流動比率が高いことがわかりました。
一方、流動比率が100%を切っている業種に「道路運送業」「民営鉄道業」であることがわかります。

とはいえ、「道路運送業」「民営鉄道業」がすぐにつぶれるか?というと必ずしもそうではありません。
流動比率は低いですが、回収は確実にできて現金化が早いのため、安全性が低いとはいい切れません。

基本的に数値は高い方が望ましいです。
でも回収不能な売掛債権や不良在庫などが流動資産に含まれ、数値を高くしていることもあります。

正確に現状を把握するなら、不良資産を引いた金額で計算すると見えてきます。

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