はじめての決算

キャッシュフロー計算書とは

キャッシュフロー計算書とは

キャッシュフロー計算書とは、ある一定期間の会社のお金の流れを表します。
日本の企業では2000年3月以降、決算においてキャッシュフロー計算書の開示が義務付けられるようになりました。

お金は会社の血液です。
人は血液がなくなれば死に至りますが、会社も同様にお金がなければ存続することはできません。

ここで会社員・田中さんを例にとります。
まず田中さんのキャッシュフローを見ていきましょう。

田中さんは仕事で給与・賞与を現金でもらいます。
これは現金の「キャッシュ・イン(Cash In)」で、収入となります。

生活のために家賃や飲食代、衣服や趣味に現金を払うと現金の「キャッシュ・アウト(Cash Out)」となり支出です。

家を購入する場合、手持ちの現金だけでは足りないので住宅ローンを組み、お金を借ります。
こちらは「キャッシュ・イン」となり、現金が入る収入です。
しかし、同時にマンションの支払い代金として「キャッシュ・アウト」になります。

▼図.会社員・田中さんのお金の流れ

図2

これをふまえて、今度は会社のキャッシュフローについて見ていきましょう。

キャッシュフロー計算書では、田中さんの場合と同様にお金の入ってくる状況(キャッシュ・イン=収入)、出ていく状況(キャッシュ・アウト=支出)で計算します。
これを大きく3つの活動に分けることができます。

  1. 営業活動でのキャッシュフロー … 会社の営業活動から生じたお金の流れ
  2. 投資活動でのキャッシュフロー … 固定資産や株・債券等の取得・売却でのお金の流れ
  3. 財務活動でのキャッシュフロー … 営業活動・投資活動の2つを支えるための資金調達・返済の状況

(1)営業活動でのキャッシュフロー

営業活動でのキャッシュフローとは、会社の本業(主要な活動)によるお金の増減を表します。
商品やサービスを販売して、代金を回収することが「営業活動による収入」という訳です。
これを「売上」の金額ともいいます。

逆に「営業活動による支出」を見ていきましょう。

売上を増加させるには、商品を生産して販売活動を行います。
商品を作るには、作るための材料・部品が必要となり、それを仕入れるための費用が必要となります。
この費用の支払いや社員への給与を支払わなければなりません。
他にも売上を上げるための広告費・宣伝費などの支払いが発生します。

お金が入ってくる方が大事になってきますので当然、キャッシュフローはプラス【+】であることが必須です。

▼図.営業活動でのキャッシュフロー(入金日はずれない)

図3

全て現金での取引であれば帳簿の計算と手元のお金は同じになりますが、キャッシュフローがなかなかプラス【+】にならない取引が多いとキャッシュ不足により、企業活動ができなくなります。
その末路は倒産です。

ちなみに「黒字倒産」は、売上は順調で利益を上げながら、お金が入ってこない状況におちいって起こるものです。

▼図.営業活動でのキャッシュフロー(入金日がずれる)

図4

原因は、売掛金を長期に回収できない場合、また受取手形の期間が長いため売上が現金にならない場合があります。
その間に営業活動による支出でお金が足りなくなってしまい倒産に追い込まれるのです。

ことわざでは“勘定合って銭足らず”と言い、理論と実際は一致しないという意味ですが、現実には避けたい状況ですね。

(2)投資活動でのキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローは、設備投資や余剰資金の運用(企業の買収、株式の購入など)によるお金の増減を表します。

ここで重要なことは、キャッシュフローはあくまでお金の動き=お金の出入りだけを見ます。
どれだけ利益が上がったか?損をしたか?ではなく、現金の収入または支出がいくらあったか?を見ます。

例えば、ある1億円の土地を売却する場合を考えてみましょう。

この土地を5億円で売却できた場合、キャッシュフロー上では「5億円の収入」となります。
利益は4億円となりますが、これは損益計算書に記載される内容です。

では逆に3000万円で土地を売却できた場合、キャッシュフロー上では「3000万円の収入」となります。
損失は7000万円となり、この損失も同様に損益計算書に記載されます。

投資活動でのキャッシュフローは、損得は関係なく、お金の出入りを表します。

(3)財務活動でのキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフローは、借入(資金調達)や、借入金返済などによるお金の増減を表します。

一般的に資本金だけでは開業資金が足りないため、金融機関から借り入れます。
また、多額の設備投資の場合もお金を借り入れたり、社債を発行して資金調達を行います。

株式発行の資金調達による資本金は返済不要ですが、長期・短期の借入金や発行した社債は必ず返済が必要です。

ここでも、あくまでお金の出入りを見るものなので、損得は置いておきます。
そして営業活動・投資活動・財務活動でのキャッシュフローをまとめると次の図となります。

▼図.3つのキャッシュフロー(全体図)

図5

キャッシュフロー計算書には2種類あり、「直接法」と「間接法」があります。

直接法 … 実際のお金の動き(収入と支出の総額)を主要な取引ごとに集計

間接法 … 損益計算書と貸借対照表を利用し、お金の流れを逆算して表示

直接法は、お金の動きがわかりやすい半面、すべての取引における現金の流れを計算するのは難しいです。
たいていの企業では、損益計算書の税引前当期純利益から計算上で間接的に算出する間接法を用いています。

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